について、原告主張事実を述べたものは以下の通りです。
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◆その1(原告準備書面(3)から)
2、本件人事1の違法な手続と原告の学問の自由の侵害との関係
(1)、結論
原告準備書面(2)及び上記1で主張した通り、本件人事1の手続は違法であり、この違法な手続により、国際政策協調学の教授人事の実現が妨げられた。その結果、国際政策協調学の新任教授との間で進めようと準備していた原告の本学融合(その具体的な内容は(2)で述べる)の取り組みは頓挫し、本学融合の研究に多大な支障をもたらした。これは原告にとっての学問の自由の重大な侵害にほかならない。
(2)、本学融合の具体的内容
本学融合の具体的内容は今般提出の甲48原告陳述書(3)2に述べた通りである。すなわち、
①.学問の対象は「国際システムの秩序と安定」である。
②.学問の方法は『経済、政治、法が相互依存及び相互作用する国際社会の動態全体をリアルに捉えるために、国際社会における経済、政治、法の相互依存及び相互作用を正面から探求する新しい研究方法を採用した。それが従来の経済学、政治学および法学の再統合である。具体的には「国際政治経済システム学」、「国際政策協調学」及び「国際環境組織論」の3つの分野の研究者がぞれぞれの分野の研究成果を持ち寄り、その相互交流・意見交換を通じて、国際社会における経済、政治、法の相互依存及び相互作用を共同で探求すること』である。
②.学問の方法は『経済、政治、法が相互依存及び相互作用する国際社会の動態全体をリアルに捉えるために、国際社会における経済、政治、法の相互依存及び相互作用を正面から探求する新しい研究方法を採用した。それが従来の経済学、政治学および法学の再統合である。具体的には「国際政治経済システム学」、「国際政策協調学」及び「国際環境組織論」の3つの分野の研究者がぞれぞれの分野の研究成果を持ち寄り、その相互交流・意見交換を通じて、国際社会における経済、政治、法の相互依存及び相互作用を共同で探求すること』である。
この立場から、原告のイニシアチブにより、1999年、環境学専攻の下に国際環境基盤学大講座が設立されたとき、この大講座の中に、社会科学における国際政治学、国際経済学および国際法の3つの分野の研究者を集めることが決まり、2006年4月、大講座が国際協力学専攻に改組された後は、制度設計講座の中に「国際政治経済システム学」、「国際政策協調学」及び「国際環境組織論」の3つの分野の研究者を集めることが決まったのである。
(3)、本件人事1の違法な手続による本学融合の頓挫
しかるに、2010年5月、学術経営委員会で教授選考委員会が設置され、国際政策協調学の教授人事がスタートしたが、その募集活動のさなか同年11月に突然、この教授人事は一方的に中断され、発議した国際協力学専攻の基幹専攻会議で変更の説明も変更の審議・了承もないまま、教授人事の分野が国際政策協調学から社会的意思決定に変更された。1で前述した通り、この人事手続は本件規則に違反する違法なものであり、この違法な人事手続の結果、国際政策協調学の教授人事は実現できなくなった。
そのため、国際政策協調学の新任教授との間で進めようと準備していた原告の本学融合の取り組みは頓挫し、本学融合の研究に多大な支障をもたらした。これは原告にとっての学問の自由の重大な侵害にほかならない。
以 上
◆その2(原告準備書面(4)から)
1、「本件人事1の違法な手続と原告の学問の自由の侵害との関係」に関する原告主張の整理
本件人事1(その意味は原告準備書面(2)第1、1で述べた通り)の違法な分野変更手続の結果、いかなる態様により本学融合(その意味は原告準備書面(3)2(2)で述べた通り)の研究に重大な支障を来たし、学問の自由を侵害したかについて、従前、原告準備書面(2)及び同(3)でおこなった原告主張を次の通り整理する。
すなわち、本件人事1の違法な分野変更手続の結果、次の2つの態様により本学融合の研究に重大な支障を来たした。この2つの態様の詳細は各原告準備書面の当該箇所で主張した通りである。
①.国際政策協調学の新任教授の採用が実現せず、その結果、原告と当該新任教授との本学融合の研究に重大な支障を来たした(原告準備書面(3)2参照)。
②.分野変更後の社会的意思決定で教授が採用された結果、制度設計講座の教授の定員枠は埋まり、教授ポストの国際政策協調学分野は自動的に廃止となった。その結果、本件人事1ののち、これまで通りの国際政策協調学分野の教授人事を実施することは不可能となり、原告と国際政策協調学の新任教授との本学融合の研究に重大な支障を来たした(原告準備書面(2)第1、8参照)。
以 上
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