2018年3月30日金曜日

【速報】原告主張に応答せず、東京大学のルール書き換え・公文書偽造の真相解明を封印した忖度判決は司法による犯罪であり、司法への信用失墜判決である(2018.3.30)

判決のクライマックス部分の解説->こちら 
  判決全文->こちら 
  判決後の記者会見動画->こちら

3月15日と22日、2度にわたる判決言渡しの延期をと判決の書き換えを経て、昨日29日、判決の言い渡しがありました(延期の詳細は->1度目2度目弁論再開を上申した件)。

判決の結論は原告の請求棄却(判決全文->こちら)。
問題はその理由付けです。
私達はこの裁判の中で磐石の証拠を用意し、「3つの手続違反」という事実問題の勝利はゆるぎないという確信を抱いていました。裁判所がケチをつけるとしたら、学融合という新しい学問の自由の侵害は認められない、と屁理屈を立ててくるくらいだろう、と。
しかし、この予想は見事に外れました。まだ裁判所はまともな人たちだという前提・幻想に立っていたためです。
「3つの手続違反はない」と判断する裁判所の根拠は要するに、いずれも前訴で決着済みだというものです。しかし、そんな論点は我々のほうが百も承知だ。だから、本訴で、3つの手続違反は前訴では全く争点とならなかったことを隅から隅まで証明した。しかし、そこについては、この判決では全て無視。裁判所自分に不都合なことは、原告の主張に応答すらしない。それは、もう民事裁判のイロハもクソもない、公平な裁判制度の書き換えにより、被告東京大学のルール書き換え・公文書偽造を隠ぺいする支援行為です。犯罪を隠ぺい、支援する行為もまた犯罪(共犯)です。だから、このような支援判決は司法の犯罪と呼ぶしかないものです。

この「3つの手続違反」のうち、本裁判のクライマックスは以下の画像の文書、東大の公文書偽造(正確には虚偽公文書作成)です。

この偽造について、判決はこの文書は偽造ではないと判断しました。その唯一の根拠は、原告が前訴で、この文書の内容の通りだと証言したからだというものです。
しかし、事件から3年後の前訴裁判で、原告は、「11月に1回、委員会に出席した記憶はあったが、その日付を覚えていなかった。そこで、この文書がよもや虚偽のものとは思わなかったので、てっきり、この文書の内容の通りだと思い、そう証言したのだ、と本訴で主張しました。なぜ、この勘違いに気がついたかというと、本訴の準備の中で、当時のメールを全て精査したところ、11月11日の教授選考委員会の招集メールはあったのに、この文書の11月25日の招集メールは存在しなかったことを知ったからです。この事実は全て、本訴で主張しました。しかし、裁判官は不都合な真実はフタをしたのです。そして、東京大学の文書偽造にフタをしたのです。これは公文書書き換えを自白した財務省より悪質だ。不承不承でも真相解明をやろうとする国会の足元にも及ばない、司法による犯罪、東京大学のスキャンダルをおともだちのようにかばう、歴史に永遠の汚名を残す忖度判決です。

以下、「3つの手続違反」の有無をめぐって、原告主張と判決を対比し、合わせて、判決直後に実施された記者会見の動画をアップします。


次は、舞台を東京高裁に移して、引き続き、文書書き換え、ルール書き換え問題の真相解明に取り組む所存です。
これは一握りの研究者の学問の自由の侵害の問題にとどまりません。私達市民の命、健康、暮らし全てを覆い尽くしている現代の科学技術文明のあり方に深く関わる根の深い事件です。
裁判所が、今回、こうしたふざけた判決を出せたのも、ひとえに世論の関心がこの裁判に向いていないとタカを括ったからです(森友問題で真っ青になった節がありますが)。裁判を真っ当な方向に持っていく最大、最終の力は一人一人の市民の関心、監視です。
ぜひ、この裁判に関心を持っていただくよう、お願いします。



①.進行中の教授人事の「停止」原告主張の詳細->準備書面(5)(6)
原告主張
一審判決
国際政策協調学分野の教授候補者の募集等の教授人事の進行中に、いきなり、一方的に当該人事が停止となったものであり、このような尋常ならざる事態は被告東大の教員選考手続でも想定しておらず、この事態に対する内部規則は存在しない。しかし、教員選考手続の制定趣旨に照らせば、最低限の手続として、当該教授人事の関係機関である発議の審議・決定をした国際協力学専攻の基幹専攻会議及び当該教授人事のために教授選考委員会を設置した学術経営委員会に対して、進行中の募集手続をなぜ停止しなければならないのか、その合理的な理由を説明し、当該機関から承認を得る必要があると解すべきである。それゆえ、このような手続を取らずに、進行中の教授人事を一方的に「停止」したことは手続違反と言わざるを得ない。
ここにいう「分野」は、被告の内規上、あくまで具体的な教員の選考に際して、選考の対象とする人材の教育研究分野をどこに設定するかという意味において問題となるにとどまるものであり、本件の人事、すなわち国際政策協調学分野から社会的意思決定分野に選考の分野が変更された上で実施された本件選考については、手続的にも実体的にも違法なものであったとはいえないことが、本件前訴の判断において既に確定している。
分野変更の段取りに何らかの堰疵があるとして、それが分野変更に係る選考(人事)それ自体の効力の問題として問題とされ得ることは当然としても、「分野」変更の手続的暇疵それ自体が独立して問題とされるべき性質のものであるか否か自体、そもそも疑問の余地があるが、いずれにせよ、仮に原告が主張するように原告の学問の自由の侵害に当たるような重大な手続的暇疵が存在したというのであれば、それは当然に本件選考それ自体の手続的違法として本件前訴において問題とされ、審理判断されて然るべきである(逆に本件前訴において主張され、争点とされていないのであれば、それはかえって当該暇疵の重大性自体を疑わしめるものと言わざるを得ない。)。実際、前記前提事実(4)記載の本件前訴における審理経過及び判断内容等からすれば、前記②に係る主張及び審理が尽くされた上で上記結論に至っていることが認められ、本件全証拠に照らしてみても、この点に係る判断を左右するに足りるような事情は見当たらない。

原告が主張する前記①の点は、結局のところ前記②と表裏の問題であって、前記②について上記のとおりの判断である以上、前記①の点をもって本件選考における分野変更を違法と評価する余地はないというべきである。

②.「基幹専攻会議で分野変更の審議・決定」を経た上で発議する手続の不存在
原告主張
一審判決
「教官選考に当たっての分野及びポストの審議に関する申合わせ」(甲52の2〔1枚目〕・甲50の2・同51の2。以下、本件規則という)によれば、
注1.「分野およびポスト」の変更が生じる場合は、再度、発議からやり直す。
とあり、分野変更する場合には、発議した専攻の基幹専攻会議で分野変更に関する審議・決定を経た上で、改めて、発議することを求めている。
 しかるに、本件において、2009年11月25日、国際協力学専攻は、国際政策協調学分野の分野変更について学術経営委員会に発議したが、しかし、そのために必要な「基幹専攻会議で分野変更に関する審議・決定を経る」手続を行なわなかった。これは明らかに本件規則の上記定めに違反する。
原告の前記②の主張の趣旨は、要するに、分野変更も含め、分野及びポストの発議に当たっては、国際協力学専攻の教授のみならず学会の将来を担うべき准教授や専任講師も含めた議論を経る必要があることを指摘するものと解されるが、本件前訴においても指摘されているとおり、本件両人事が、国際協力学専攻の2つの教授ポストをめぐって同専攻に在籍する3名の准教授が争う構図が強く予測されるものであって、その決定に准教授及びその影響を受けやすいと考えられる専任講師を関与させることが適切とは言えない事1青があることから、教授のみで決定することについては合理的な理由が認められるというべきであり、そのことは、本訴において提出された分野選定に関する本件学術経営委員会申し合わせ(502)で分野選定委員会の構成員が教授に限られ、関連資料においてその理由として「ポストの決定」(教授、助教授、講師の決定)を行うことになる点が指摘されていることに照らせば、一層明らかである。そして、そうであるとすれば、基幹専攻会議の教授メンバーが参加する教授懇談会の意思に基づくものとして発議がされたとしても、その実質において異なるところはないし、本件では少なくとも平成22311目に開催された基幹専攻会議において、この点も含め、国際協力学専攻に所属する教授及び准教授8人全員の参加の下で、従前進めてきた選考手順に従って本件選考を進めることが承認されている以上、この点に係る手続上の暇疵は治癒されたものと解することができる。

以上の原告主張に対し、被告は沈黙したままであり、認否すらしない。そして、単に「教授懇談会で分野変更の審議・決定」があった旨を主張するだけである(被告第4準備書面2頁2)。しかし、
第1に、「教授懇談会で分野変更の審議・決定」がなぜ「基幹専攻会議で分野変更の審議・決定」に代わり得るものであるかについて、被告は何の主張も証明もない。
第2に、「教授懇談会で分野変更の審議・決定」に関する被告主張のうち、《平成21年7月から10月にかけて、教授懇談会で本件分野変更の審議が重ねられ、11月までには本件分野変更の合意が形成され、決定された》旨の事実に対して、原告は否認する。その理由は、2009年(平成21年)9月までの教授懇談会の内容を記録した山路メモ(乙10添付資料)から次の事実が明らかだからである。
①.2009年9月までの教授懇談会で本件分野変更が議題になる余地はなかった。なぜなら、9月29日の教授懇談会で、原告は次の発言をしているからである。
「柳田教授が、制度設計講座の3分野将来構想を詳細に提案。また、本件はY総合文化研究科長の任期中にけりを付けたい、と発言」。(乙10添付資料2枚目)
つまり、この日、原告は《国際協力学専攻を構成する3つの講座のうち私が所属する制度設計講座が、国際政治経済システム学分野、国際政策協調学分野および国際環境組織論の3つの分野から構成される構想》である3分野将来構想について、《3分野構想は既に1999年に構想されたものでしたが、その実現がまだでしたので、‥‥教授の空きポストを早急に埋めて、是非とも3分野構想を実現させたいと意気込んでいたので、改めて、3分野構想の内容を詳しく説明し、出席者に理解を求めた》ものであり(甲58原告陳述書(4)4頁)、国際政策協調学分野の教授人事を別の分野に変更することなど到底あり得ない話だったからである。
②.なおかつ、原告はこの3分野構想を実現するために、国際政治学専攻の山影進教授に国際政治学または国際法の候補者を推薦してもらう積りで、山影教授との面談をこの日の教授懇談会で話題にし、翌10月26日、國島専攻長も同行し、山影教授を訪問し上記推薦の依頼をした(甲58原告陳述書(4)4頁)。
以上から、2009年10月26日までは原告と国際協力学専攻の教授間で本件分野変更が議題になったことはない。
③.山路メモによれば、2009年10月及び11月に教授懇談会は開催されていない。従って、同年10月及び11月に教授懇談会で本件分野変更が議題になる余地もなかった。

なお,原告は,本訴においても,本件選考における分野変更について教授懇談会においても何ら議論されていない旨主張する。しかしながら,本訴において,原告は,本件選考における分野変更の発議に先立つ平成211111目の選考委員会において,専攻長の國島教授から,社会的意思決定分野の教授ポストについて選考を行いたい旨の説明があったことは自認しており(1,63,原告本人),原告が国際協力学専攻における教授ポストの数に制約がある点は熟知していたことからすれば,これを国際政策協調学分野の教授ポストとは別に新たな選考を行う趣旨と理解した旨の弁解は到底信用し難いことからすれぱ,専攻長の國島教授は,本件の分野変更に消極的な意向である可能性が強い原告を含め,関係する教授(教授懇談会のメンバー)にはあらかじめ分野変更についての説明を行い,了承を得ていたものと推認するのが合理的である。

③.「分野選定委員会の開催・審議・決定」という手続の不存在について
原告主張
一審判決
 言うまでもなく、分野変更においては、本来なら、分野変更のために設置された分野選定委員会を招集・開催して、分野変更について審議・決定の手続を経る必要がある。しかし、本件においては、当該野選定委員会の招集、開催の事実はなく、従って、2009年11月25日にこれが開催され、分野変更について審議し、全員一致で承認したという審議結果報告書(甲18の3・同20の2)は虚偽である(原告準備書面(2)第1、7)。
 これに対し、被告は上記原告主張を全面的に否認し、審議結果報告書(甲18の3・同20の2)の内容の通り、2009年11月25日に上記分野選定委員会が開催され、分野変更について審議し、全員一致で承認したと主張する(被告第3準備書面第1、4)。
「2009年11月25日の分野選定委員会の開催・審議・決定」の有無をめぐって双方で真っ向から主張が対立する以上、双方とも自身の主張について、その裏付け(被告であれば否認の理由)を明らかにする必要がある。
 そこで、原告は、この点の事実関係を解明するため、後述の通り、求釈明と人証申請する。

前記③の点については、証拠(12)によれば、本件前訴(本人尋問)において、原告自身、平成211125目に行われた分野選定会議に出席していたことを由確に自認し、これが同日の学術経営委員会の前に開催されたと記憶していることやそこでの審議の内容等(選考の分野が変更されたことについての原告の認識やその時点における考えに係る内容を含む。)について具体的に供述していることからしても、これを同月11日の選考委員会と勘違いしたとする本訴における供述等(63、原告本人尋問の結果等)は到底信用することができない。

求釈明

(1)、被告は、分野選定委員会を11月25日に開催する旨の招集通知が出された事実を認めるのかそれとも否認するのか、認めるのなら誰がどういう方法で出したのか、明らかにせよ。
(2)、もし認めるのであれば、誰がどういう方法で出したのか、明らかにせよ。
被告は回答せず。
判決も被告の未回答について言及なし。
証人申請
(1)正彦国際協力学専攻長
(2)、味埜環境学系系長
証人申請を却下。真相解明をしない、と。


判決言い渡し後の記者会見(東京地裁記者クラブ)


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